機能やデザインが優れた文房具を決める「第27回日本文具大賞2018」の優秀賞10製品がこのほど発表され、精密ばねを手がける五貫目町の五光発條(株)(村井秀敏代表取締役)が開発や製造に携わった「CLIP」が機能部門で受賞した。7月4日(水)に都内で行われる表彰式で、グランプリが決定する。
受賞製品の「CLIP」は、金型設計などを手がける藤沢市の(株)モールドテックが中心となって立ち上げた文房具ブランド「Factionery(ファクショナリー)」から生まれたプロダクトの一つ。町工場の高い技術力を生かし、オリジナルのものづくりを展開する同ブランドには、五光発條を含む製造メーカー4社が参加。現在はクリップのほか、定規やペンスタンドなど、各社の得意分野を用い、デザイン性が高く実用的な5製品を発表している。文具大賞への出品は今回が初。
「CLIP」のデザインなど監修は、西村拓紀デザイン(株)(東京都)が担当。昨年11月に完成した。特長は、「書類をいつまでもめくれること」。通常は、まとめた書類をめくると折り跡がついてしまうが、「ねじりばね」や「引きばね」の技術を駆使したこのクリップは、回転することでスムーズにめくり続けることが出来るという。また、特殊なくぼみの形状を採用しており、クリップ同士の付け外しも自由自在。簡単にページ数を増やすことができる仕組みだ。
開発を担当した五光発條生産部の山本豪さんは、「何回も試作した」と苦労を語る。ばね同士を嵌め合わせる仕組みは珍しい上、0・01ミリ単位での調整が求められる。「研磨加工を見越し、形状を調整する作業は大変だが、やりがいがあった」と話す。
村井代表は受賞について、「Factioneryの志に共感し、参加してきた。このブランドには、一つひとつの製品にストーリーがあるのが魅力。文具大賞の受賞で知ってもらうきっかけになれば」と期待を込める。今後はPRの仕方を改善していきたいとしている。
ばねを広めるため、産学連携など、さまざまな取り組みを行う同社。実際の作業を小学生らに体験してもらう「体験型工場見学」も好評だという。村井代表は、「会社の理念は、100年後も日本でばね作りを続けること。今後もあらゆるチャレンジをしていく」と語った。
「CLIP」は5個入り650円(税別)。同ブランドの製品はHP(【URL】 http://www.factionery.jp/)から購入可能。
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