瀬谷の生き物だより【105】 文:清水道夫(瀬谷環境ネット) 写真:中村多加夫(同上)
夏の宵、寺や神社の暗い林の側を通ると「ホッホー、ホッホー」と聞き慣れない声を耳にすることがある。アオバズクだ。
アオバズクはフクロウの仲間で、五月の青葉の頃渡来し日本で繁殖するミミズクということからこの名前が付いた渡り鳥である(ズクと名がついているが羽角はない)。大きさはハトよりやや小さい30cm程。体色は頭から背面が黒褐色、胸と腹は白く、黒褐色の細かい縦斑に覆われている。真ん丸い目の周囲に金色の輪があるのが特徴的。顔(頭)を上下左右に器用に回転させる仕草が可愛い。
主な繁殖地は低山の林や農耕地だが、市街地の寺社林の高木もよく利用し、樹洞に産卵し2〜4羽の雛を育てる。小鳥、蛾や甲虫類など夜行性の大型の昆虫等を餌とする。
雛は7月には巣立ち、9〜10月には越冬地である東南アジアへ旅立つ。
区内でも1〜2の寺社で繁殖が観察されているが、夜行性のため見る機会が少なく、残念だ。尚、個人的には鳴き声を聞くと、今年も雛が無事に育つ事を祈る気持ちとなる。
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