瀬谷の生き物だより【107】 文:清水道夫(瀬谷環境ネット) 写真:中村多加夫(同上)
この時期、花の少ない林を散策していると、下草の間から薄いピンク色をした3〜4cmの花穂が覗いているのが見つかった。近寄ってみるとキチジョウソウが咲いていた。
この草は、庭に植えて花が咲くとその家に吉事があるとの言い伝えからキチジョウソウ(吉祥草)と名付けられたと言う。
ユリ科の常緑多年草で関東から九州まで自生している。根元から20cm程の線形の葉を伸ばし、10〜11月に葉の付け根からヤブランに似た10cm程の花茎が伸び1cm程の小花を穂状に多数付けるが、葉の陰で見え難いきらいがある。花は6弁で反り返るが基部は筒状になる。花びらの外側は色が濃いが内側は淡紅色をしている。茎は地面を這って広がり群生する。日陰でも良く育つことから庭園等の下草としても植えられている。花はその後結実し、冬に7〜8mmの紅紫色の液果を付ける。
瀬谷市民の森のゴルフ練習場近くや、貉窪公園の谷道のやや薄暗い所に群生している箇所があるので花を見つけると良いことがあるかも。
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