瀬谷の生き物だより【112】 文:清水道夫(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同上)
暖かい春の日差しを浴びて草地の散歩を楽しんでいると、足元のあちこちにツクシ(土筆)が生えているのが見られる。
ツクシはトクサ科のシダの仲間であるスギナの胞子茎で、そのスギナは日当たりの良い裸地などに生え広がる生活力の強い厄介な雑草である。畑地、土手、道端などに普通に生え、特に湿気の多い酸性の土壌を好んで生えるとのことである。地下茎を周囲に伸ばして広がり、節より芽を出す。早春にツクシ(胞子茎)が先ず貌を出し、次いでスギナ(栄養茎)が現れる。ツクシは先端の膨らんだ部分(胞子嚢)に胞子を作り、散布して枯れる。スギナは北海道から九州まで分布し、3月から寒い地方では5月頃まで伸び出してくる。
春の風物詩として、ツクシはよく野を描く際のモチーフとなる。また「ままごとの飯もおさいも土筆かな 星野立子」と俳句にも詠まれているように、一昔前の子供達は草地でツクシを摘んで遊んだものだ。今でも春の山菜の一つとして人気があり、袴を取り除き湯がいて卵とじや佃煮にして食されているようだ。
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