瀬谷の生き物だより【117】 ギバチ文:宮島行壽(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫・宮島行壽(同上)
ギバチ(義蜂)は、神奈川県が生息域の南限で「県の絶滅危惧IA類」に分類されているナマズの仲間である。
ナマズが上下の顎に1対ずつ4本のひげを持つのに対し、ギバチは2対ずつ8本のひげを持つナマズ目ギギ科に分類される。体長は最大25cm程でナマズの約三分の一強の大きさである。胸びれと背びれに1本ずつ、合計3本の棘を持つ。棘には毒があるとされ、手で持つとハチに刺されたような痛みがあることからこのような名前がついたとされている。活動は基本的に夜行性で攻撃性が強く、水槽で飼育する場合体長数cmを超えたもの複数を一つの水槽に入れると、弱いものが攻撃され、死に至ってしまう。
和泉川では今年1月〜2月の渇水時、干上り寸前の水溜りの中で20尾ほどのギバチが採集された。日本の高度成長期に和泉川の生物も大きな痛手を受けた。その後に現れたこのギバチはどんなルーツを持っているのか、現在DNA分析が行われようとしている。
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