瀬谷の生き物だより【121】 シロハラ文:今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同上)
秋も深まると、シベリアなど北の国で繁殖した多くの野鳥が日本海を越え、越冬のため日本に渡来する。
ツグミの仲間のシロハラもその1種だ。国内では平地から山地の林、農耕地、市街地の公園の林などで冬を越す。体長は25cmとヒヨドリよりは少し小さい。体形・姿は胸や脇腹が橙色のアカハラ(前回参照)に極めてよく似るが、シロハラは名前の通り背は灰褐色で腹部が汚白色とその違いは明らかである。両種とも同じような環境に生息するがシロハラの方がより暗い林床に見られる。
冬の静かな公園の散策時、木の下闇にカサカサと音が聞こえたら足を止めてみよう。シロハラが嘴(くちばし)で落葉を左右にかき分け飛ばしながらクモやヤスデを漁っている姿が目に入るかも。
かつてシロハラは西日本に多く、関東地方ではアカハラの方が多く見られたものである。赤勝て白勝ての運動会ではないが、近年は関東でもシロハラの方が多くみられる様になったのは何故か。野鳥を通して自然界の変化の要因を考えてみるのも一興である。
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