瀬谷の生き物だより【123】 ガビチョウ文:清水道夫(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同)
瀬谷市民の森を散策していると、ウグイスやイカルの声に似た複雑で良く響く、季節外れの囀(さえず)りを聞くことがある。ガビチョウの囀りである。
本種は、東南アジアや中国の南部等が生息地の鳥であるが、鳴き声が美しいことから古くは江戸時代から観賞用に輸入されていたと言う。近年は篭脱け鳥が野生化・留鳥化して国内各地に定着し、関東でも数を増やしている。
体長は23cm程、体色は明るい茶色、目の周りから後ろには京劇の隈取化粧をした如く白い斑が目立つ。この目の周りの眉を画いたような模様から中国では「画眉鳥」と名付けられ、和名はこれをそのまま日本語読みにしたものである。
低い茂みに潜むことが多く、まれに庭木などにも飛来する。夏季に繁殖し、昆虫や果実を地上で採餌することが多く、余り高くは飛ばない。
スズメ目チメドリ科に分類され、同属のカオグロガビチョウ、カオジロガビチョウと共に特定外来生物に指定されており、在来種のウグイス等と生息環境が重複、在来生態系への影響が懸念されている。
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