マミチャジナイ 文:今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより130
秋も半ば、マミチャジナイの季節到来だ。マミチャジナイはシベリア内陸部で繁殖し、冬季は東南アジアで越冬するため日本列島を春秋に通過する。ツグミのように、冬鳥として日本で越冬しないこのような鳥を旅鳥という。日本海を渡り、戸隠高原とかの山地に渡来した後は平地の林、河畔林などを通過して行く。なかなか目にする機会が少ない鳥だが、昨年は瀬谷市民の森、長屋門公園の林でも数多くの姿を目にした。
ヒタキ科ツグミ属の鳥で体長は約22cmとツグミよりやや小さい。頭部は暗灰色、背は灰褐色、腹部は橙褐色、同属の越冬するアカハラと大きさや姿もよく似るが、眉斑がくっきりと白く見えることからアカハラとの違いが知れる。シベリアやカムチャッカでの生息地では昆虫類をよく餌にするが、渡りの途中では高木のムクノキやエノキの実を好んで食する。繁殖期の美しい囀りとは別に冬季の地鳴きは地味な「ツイー」、警戒時には「キョッキョッキョッ」と早口で鳴くので、あっ!マミチャジナイがいると知れる。この秋はマミチャジナイを探してみよう。
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