アトリ 文:今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより131
アトリはヨーロッパではシジュウカラ同様に身近な鳥だが、日本では秋にシベリア大陸から大挙して高山・山麓に飛来するも市街地では見る機会が少なく、名前も姿も馴染みの薄い鳥である。ただここ数年、山が雪に覆われる頃になると瀬谷市民の森や長屋門公園の林でも20羽、30羽と群れで飛び交うアトリの姿を目にすることがある。
アトリはスズメ目アトリ科に属し、体長は16cm程でスズメよりやや大きい。雄の頭部から体上面は光沢のある黒色、喉から胸は橙褐色で下腹部は白い。雌は頭部から背は淡橙褐色で体下面は汚白色である。群れで生活することが多く、地上で両足をそろえ跳ね歩きながら雑草の種子を採餌するが、ミズキやナナカマドの木の実も好んで啄む。
アトリの特異な習性は、春の渡去期を前に本州・九州など日本のどこかで毎年のように大きな群れを作ることである。時に数十万羽の大集団になり、その様子が新聞紙上やテレビ等で紹介されることもある。
瀬谷の原・森でもこの様な場面を見てみたいものである。
|
|
|
|
|
|