ムラサキケマン 文:清水道夫(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより135
4月、瀬谷市民の森を散策していると、道端に赤紫色をした小花が茎の先端にかたまって咲いている草を見かけた。近寄って見るとムラサキケマンである。
本種は全国各地の低地の明るい林の中や、縁の草地等に普通に見られる野草。ケシ科に属し、草丈は20〜50cm、4〜6月に長さ2cm程の赤紫色の細長いラッパ状の唇形花を花穂の先に多数付ける。葉は柄があり、長さ3〜8cmで2回3出複葉、小葉の先は細かく羽状に裂けており全体に柔らかな感じを受ける。纏まって咲く様子が美しいので観賞用に庭に植えているのを見ることもある。ただ、草全体にアルカロイドを含み有毒とのことである。
名前の由来は、花が纏まって付いた花穂の形が仏堂の欄間に掛けた金銅製の装飾具の一種である華鬘(けまん)に似ているとして付けられたとのこと。
なお、ムラサキケマンの果実は6月頃成熟し蒴果となる。それを手で包むようにそっと触れると果実の中の種子が掌の中で弾けるのが分かる。草地のある公園や畑地の脇などの散歩の折に見かけたら試してみては如何。
|
|
|
|
|
|