横浜市は1996年以来となる用途地域等の全市的な見直しに向けて「基本的考え方」の案をまとめ、市民意見の募集を始めた。少子高齢化や人口減少に加え、ライフスタイルの多様化に対応した街作りを目指す考えだ。
用途地域とは、計画的で秩序のある市街地形成のため、建物の建て方や土地の利用方法などのルールを定めたもの。市の諮問を受けて検討を進めていた市都市計画審議会は今年8月、「基本的な考え方」を答申。それを踏まえて市は案をまとめ、2022年1月14日までの間、市民からの意見を募っている。
案の中で重点施策に位置付けられているのが、「郊外住宅地の魅力向上」。現在、市は市街化区域の約4割を第一種低層住居専用地域として指定し、郊外部を中心に低層の住宅地が広がっている。そのため、徒歩圏に日用品などを買える店舗がない地域も多く、高齢者などの生活利便性の面で大きな課題がある。
それにより案では、第一種の一部を2階建て以下で延床面積150平方メートル以下であれば、日用品店舗や喫茶店などが建築できる第二種低層住居専用地域に見直すことを盛り込んでいる。緑区連合自治会長会の井上敏正会長は「買い物難民を増やさないため、身近な場所に店ができるのは良いこと」と話す。
また、地域によっては特別用途地区に指定し、延床面積200〜250平方メートルの日用品店舗のほか、個人事業者らの仕事場であるコワーキングスペースや、コミュニティカフェなどを誘致する方針。住むための場所から「住み、働き、楽しみ、交流する場所」へ転換させ、持続可能で価値の高い住宅地の創出を目指すという。
また、第一種内には老朽化した住宅が多く残る地域もある。敷地が狭く老朽化した住宅が特に多い地区では、指定容積率を80%から100%に緩和し、建て替えを促していく。
市担当者によると、22年度の夏以降に見直しの候補地を示す。その後、市民説明会での意見などを集約し、23年度以降に都市計画を変更する。
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