キセキレイ文:今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより 146
川沿いの道で「チチン、チチン」と甲高い声で鳴きながら波状に飛び、頭上を越えてゆく小鳥を見かけたら、それはキセキレイと思って間違いない。カワセミの美しい姿は「空飛ぶ宝石」と呼ばれるが、キセキレイは清楚でスレンダーな姿から「渓流の貴婦人」とも呼ばれる。
セキレイ科の鳥で体長は約20cm、体上面は黄緑色を帯びた灰色、胸から腰の体下面は黄色。九州以北の平地から高山の水辺や渓流沿いに生息し、冬季は温暖な地方に移動する。セキレイの仲間の特徴である尾・腰を上下に振りながら歩く動作に遠目にもキセキレイと知れる。
川の護岸や水面に出ている石の上などで長い尾を振りながら餌になる虫を探し、時には空中に舞い上がって虫を捕える。
繁殖は河川の上流や高山帯の湖沼で行われるが、郊外の河川上流部近くの住宅地でも繁殖が見られることがある。
縄張り意識の強い鳥で、車のバックミラーに映る自分の姿にぶつかる様に争う習性も面白い。
間もなく繁殖のため山地に戻るキセキレイを、境川・和泉川・相沢川にその姿を追ってみるのは如何。
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