「第41回全国中学生人権作文コンテスト横浜市大会」の結果が10月28日に発表され、瀬谷中学校の友田未来(みく)さん(3年)の「認知症は恥ずかしくなんかない」が、最優秀賞の一つである横浜人権擁護委員協議会長賞を受賞した。曾祖父の介護体験を丁寧に描きながら、認知症への理解を呼びかける内容だ。
同コンテストは法務省の主催で、創作を通じて人権尊重の重要性や必要性について理解を深めてもらうことが目的。市大会には市内129校から5万2000点を超える応募があり、各校や関係者らが審査。市長賞や教育長賞、同協議会長賞など最優秀賞12人と、優秀賞13人が決まった。区内から入賞したのは友田さんのみ。
表彰式は11月23日に市庁舎で実施予定。最優秀作品については神奈川県大会に推薦される。
介護体験を題材に
初めて同コンテストに応募したという友田さんの作品は、5年前から認知症を患い、今年5月に亡くなった曾祖父との出来事を書き記している。「体験をありのままに書きました」と友田さん。曾祖父を支えるために認知症について勉強したことに始まり、食事・排泄の介助や徘徊防止の見守りで疲弊したこと、次第に曾祖父との時間を苦痛に感じるようになったことなどを描写。「今思うと自分でも信じられない」「思いたくないのに、思わずにはいられなかった」と複雑な心境や葛藤を書いた。
一連の体験を経て、認知症に悪いイメージを持っていた自身を反省したとして、曾祖父と出来る限り一緒に過ごすようにしたと説明。外に出かけようとした際は車いすで一緒に散歩したり、昼間に寝ようとした時には豆を箸でつかむ練習や塗り絵に誘うなど関わり方を見直して、前向きに接することができるようになったと振り返った。
後半では家族などが認知症になった時に「忘れないでほしい。その人がどんな人であったかということを」と呼びかけ。社会全体で認知症に対する理解が深まり、サポート体制が整えられることで、「過ごしやすい未来になることを願っている」と結んだ。
友田さんは最優秀賞について「聞いた時は実感が沸かなくて。時間が経って少しずつ嬉しいという気持ちが強くなりました」と喜んだ。また、「介護は大変だけれど、その人を思う気持ちを大切にしてもらえれば」と話した。
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