小学校教員の志望者が全国的に減少する一方で、35人学級の導入などによって必要とされる教員数の増加が見込まれているなか、横浜市は大学3年の秋に内々定を出す市立小学校の特別選考を2023年度に新設する。大学生が受験しやすい環境を作りながら、意欲や能力の高い人材の確保につなげる。
全国的に深刻化している教員不足。市教育委員会によると、市立小学校の採用試験の受験者数も減少傾向にあり、14年度は2276人だったが、22年度は1249人と約1000人減少した。
そうしたなか、1学級あたりの人数が40人から35人に段階的に引き下げられていることや、個別支援学級が増加傾向にあることなどから教員の更なる確保が求められている。市立小学校は22年度までに1年〜3年生で35人学級が導入されており、25年度までに4年〜6年生も移行する予定で、毎年約100人の増員が必要という。
新設される特別選考は大学推薦の3年が対象。今年4月から申し込みを受け付け、論文や面接、模擬授業を経て10月に内々定を出す。3年次の成績審査後に内定となり、採用は25年4月。23年度はこの制度で約50〜100人の募集を予定している。
基本4年から選考が始まる現行制度は民間企業などの採用と比べて開始時期が遅く、教員志望者の一部が民間などに流れることが懸念されているという。市では従来の採用試験に加えて3年も選考し、こうした現状を改善したい考え。また、3年秋に内々定を出すことで、「学生たちが安心して学習や実習に臨めれば」と担当者は期待している。
復職の後押しも
市は23年度、大学3年の特別選考に加えて、過去10年以内に育児や介護で中途退職した市の元正規教員の第1次試験を免除する制度も設ける。また、小学校など一部の第1次試験を大阪で開くなどの対策を打ち出しており、「一人でも多くの優秀な人材に横浜で先生になりたい、先生を続けたいと思ってもらえれば」と担当者。教員確保に向けてはサポート体制の充実や働き方改革も重要だとして、「総合的に取り組んでいきたい」と話す。
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