瀬谷区で初となる外国人意識調査の結果が9月22日に発表され、生活に満足している人が8割を超えていることが分かった。その一方で、地域との関係性がやや希薄という課題も見つかり、瀬谷区役所では調査結果に基づき国際交流支援を推進していく考えだ。
瀬谷区で初、ニーズ把握へ
この調査は住民基本台帳から無作為抽出された満18歳以上の外国人700人を対象として、日本語能力、生活の満足度や困りごと、近隣住民との関わり方などを調べるもの。ルビありの日本語・英語・ベトナム語・中国語の4カ国語対応で今年5月に実施され、回収率は34・4%(241件)、有効回答率は33%(231件)だった。
調査結果によれば、今の生活について「満足している」と「やや満足している」と答えた人はそれぞれ約40%(上表)。「不満がある」「やや不満がある」は合わせて8・6%だった。
困りごとや心配ごとに関する項目は「特にない」(32%)が最も多く、「税金・年金など公共サービスの制度・手続き」(23・4%)と「外国語の情報が少ない」(19・9%)が続く。
地域とのつながりについては「道で会えば挨拶するぐらい」(42%)と「顔もよく知らない」(16・9%)が多く、近隣との交流が盛んでない現状が明らかになった。地域に住む人に要望することは「差別や偏見をなくして欲しい」(42・4%)が最多だった。
日本語に関する回答では「積極的に学びたい」(31・2%)と「機会があれば学びたい」(48・1%)で全体の約80%を占めており、学習意欲が高いことが分かった。
国際交流推進へ
区内に暮らす外国人は2018年(1728人)から23年(2202人)の5年間で約30%増加している。国籍別にみると、ベトナム・中国・フィリピンと続き、近年はインドネシアの人が急増しているという。
こうした状況のなか、区は2021年度から国際交流支援事業に着手。日本語ボランティアの入門講座、地域グループや自治会・町内会との連携による正月遊びなどの体験行事を開いてきた。今年度は同講座に加えて、外国人向けの「やさしい日本語」などを広報を通じて啓発する予定だ。
区内に暮らす外国人の現状やニーズを把握しようと企画された意識調査。結果について区地域振興課の担当職員は「さまざまなニーズを把握できました。居場所や学習の場づくりなどを進めていければ」と話す。また、「簡単な言葉で話しかけたり、普段から挨拶したりすることで、外国の方が相談しやすくなります」と区民に呼びかけている。
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