元日に発生した能登半島地震を受け、第三次応急給水隊として被災地へ向かった横浜市水道局三ツ境水道事務所の工藤清之(きよし)所長と山本達也係長が日程を終えて帰還した。現地の様子や作業内容、今後の復興について聞いた。
横浜市水道局は日本水道協会関東地方支部の支部長都市を担っており、要請があった際は1都6県と山梨県から派遣される水道局員たちの取りまとめを担う。工藤所長と山本係長は同支部応急給水隊の隊長と副隊長として、市水道局員8人とともに1月11日から17日まで派遣された。
確認のため被災地に向かった工藤所長は、「道路はひび割れて大きな窪みができており、段差が1m以上ある箇所や、水道が寸断されているなど、痛ましい状況でした」と振り返る。工藤所長と山本係長は金沢市に設置された本部で、志賀町や輪島市で作業する関東地方支部隊員の指示出しや、各地の役所などから伝えられる応援要請の管理、他支部への連絡など調整に務めた。
日に6往復も
金沢市から輪島市までの距離は100Km程。本来は車で1、2時間で向かえる距離だが、主要道路が通行止めになっていたため迂回路を使用。作業場に到着するまでに、最低でも4、5時間は必要だったという。無事だった現地の浄水場から4トン給水車でくみ上げた水を公民館などで配ると、被災者からは「来てくれてありがとう」という温かい言葉がかけられた。「しかし、すぐになくなってしまうので、給水場所と浄水場との間を1日に6往復する隊もありました」と山本係長。降り積もった雪で道路が隠されてしまい、タイヤが窪みにはまって動けなくなる車もあり、作業は難航した。
復興には時間が
過去、3回災害派遣を任されてきた工藤所長。今回の活動を通し、改めて「蛇口を捻れば水が出る、その当たり前を守ることが、いかに重要か再認識しました」と思いを語った。現地の局員によると志賀町は2月末、輪島市は3月末に仮設配管による水道の復旧を目指しているという。しかし、寸断された水道の復旧は時間がかかるようだ。「災害派遣はまだまだ始まったばかり。今後も復興に携わっていきます」と話した。
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