環境活動に積極的な団体や個人、企業を市が表彰する横浜環境活動賞の第21回受賞者がこのほど決まり、泉区農業応援隊(橋本健一代表)が市民の部で実践賞を受賞した。同団体は6月6日に市中央図書館で行われる表彰式で表彰される。
同賞は市民に環境保全や再生、創造への関心を高めてもらうことなどを目的に、市が1993年度から行っている制度で、これまで233の団体等が受賞している。今年度は学識経験者らによる同賞審査委員会の審査を経た18団体(市民の部8団体、企業の部6社、児童・生徒・学生の部4団体、生物多様性特別賞1団体)が選出され、区内からは同団体が選ばれた。
4年前に発足
同団体は2010年3月、泉区民を中心に結成されたボランティア団体。泉区区政推進課内に事務局があり、労働力不足に悩む農家の農作業支援を通じ、農業振興の推進に寄与することを目的に活動している。同表彰では農家への隊員派遣などの活動が評価された。
隊員は20歳代〜80歳代の44人(3月末現在)で、大半を定年退職した60歳代以上の人が占める。活動は種まきや定植、草取り、収穫、片付け、摘果、剪定などの農作業支援で、原則、無償で行っている。農機具の扱いやトマト・柿・茄子の栽培、野菜ソムリエによるテーマ野菜に沿った調理法など、テーマ別の講習会なども実施している。
7人の隊員でスタートした結成当初は農家からの支援要請が稀で年に337人だったが、13年度は1932人と増加。隊員を派遣する登録農家は3月末現在、泉区内30戸と隣接区の農地5戸の計35戸となっている。
1週間の仕事が2時間半に
農家は同団体の応援を受けることで苗の定植や収穫など繁忙期の労働力が確保できるほか、畑の整備や草取りなどを気軽に頼めるメリットがある。
例えばキャベツ2500本の苗を植える場合、農家夫婦だけで行うと1週間かかるが、10人の応援隊が派遣された場合は2時間半で終了するため、リピーターが多いという。
農家からの要請方法は電話が主だったが、ファクスやメールシステムを活用するようになり、いまではメールでの要請が約8割に。急な要請にもスピーディーに対応できるようになった。
農業従事者の高齢化や重労働、足腰の痛みなどで廃業を検討していた農家が同団体の応援を依頼することで踏みとどまった例もある。
一方、同団体の会員にとっても、広々した畑で体を動かすことにより健康維持につながるというようなメリットがある。
橋本代表は「発足して4年。地道にやってきて隊員が増え、農家がからも期待されている。より多くの農家に応援隊の存在を知ってもらい、これからも少しでも多くの農家の支援要請に答えていきたい」と話し、同団体の活動に手ごたえを感じている。
副代表の志熊孝夫氏と冨岡俊仁氏も「4年間で認められた活動になり、農家が喜んで受け入れてくれる。野菜の植え方や育て方など農家から学ぶこともあり、入ってよかった」と話す。
同団体の活動は、農業を行いたいが労働力が不足している児童養護施設や老人福祉施設の畑になどにも広がりをみせる。一方、繁忙期などは支援農家の支援要請に答えきれないときがあるため、応援隊員の増員を図っている。
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