高齢者らの買い物支援のために下和泉地域に6月中旬から、移動販売車が来るようになった。これは下和泉地域ケアプラザがコーディネート。毎週水曜午後1時半から2時ころまで、同所の隣にあるグループホーム「なでしこ」の駐車場で販売が行われている。
「気軽に買い物ができる場所がないというのは、物を買えないというだけでなく、立ち話をする機会もないということ」と話すのは、今回の取り組みを中心となって進めた、同所の生活支援コーディネーターの木下ひろみさんだ。
スーパーなどの店が少ない同地域では以前から、高齢者などの「買い物弱者」の存在を問題視。買い物をしながらさりげなく近所の人が顔を合わせられるような、ほかでは当たり前の光景を下和泉でもつくれないかと模索してきた。
そのような中で見つけたのが、介護事業を行うアイシマグループが運営する移動販売事業。たまたま系列が同じ「なでしこ」が隣にあり、管理者の千葉哲弘さんの協力で、ホームの駐車場に毎週1回、移動販売の車を呼べることになった。
移動販売が来るようになってから約2カ月。現在の主な利用者は、なでしこの入所者で地域住民は平均3、4人とまだまだ少ない状況。近隣への周知を図るべく、今後は民生委員と協力し、チラシを配布するなどの対策を検討しているという。
利用者からの評判は上々だ。千葉さんは「入所者の中には、毎週買い物を楽しみにしている方がいる」と話す。現在はインターネットで注文や買い物の代行を頼むことも可能だが、「自分の目で見て選ぶ楽しみは生活の中で大きな意味がある」と続ける。さらに木下さんの話では、妻の介護のために長時間の外出が難しい高齢男性が移動販売に来場。ほかの買い物客と立ち話をして「久々に世間話ができた。リフレッシュできた」と語るなど、地域交流の場としても機能し始めている。
テーブルなどを用意して交流スペースを設けるなど、アイデアはふくらむばかり。「ここに来ると誰かに会えて、おしゃべりができる場所にしたい」と木下さん。買い物を通したつながりは、地域住民同士の「ゆるやかな見守り」にもつながると期待している。
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