神奈川県の運転免許試験場(旭区)が、今年5月6日に新庁舎へ移転して「神奈川県警察運転免許センター」(仮称)として開業する。横浜市内に点在する関連施設の機能を集約し、目的別に階層を分けて利便性向上を図る。
分散建物を一本化
現在の試験場は1963年から82年にかけて建築された複数の建物で構成。建築から年月が経ち老朽化が進んだ上、増築を繰り返したことで利用者の混乱を招くなどの課題が生じていた。
新庁舎整備は2007年に策定された「二俣川地区県有地利活用計画」に基づいて16年に着工した。計画は試験場を含め、県有施設が集積する同地区の課題に対応するためのもので現在も整備が進められている。
東京都や大阪府など国内には試験場を複数持つ自治体もあるが、神奈川は同所のみ。現状で2カ所目の建設予定はなく、現在分散している交通反則通告センター(保土ケ谷区)や放置違反金センター(神奈川区)を新庁舎に移し、免許関連の機能を集めて利便性を向上させる方針だ。
新庁舎は現庁舎の向かいに建設。4階建てで1階に行政処分の手続きや講習などの業務を集約し、2階は免許関係フロアとして更新などの手続きを同一フロアで完結させる。また3階は試験関係、4階は職員専用と、目的に応じて階層を分けることで利用者の混乱を解消することが期待される。県警運転免許本部担当者は「これまでは一つの手続きでも階層や建物をまたぐ移動があった。新庁舎では利用者の動きを最小限に抑えられるのでは」と話す。
移転後は現庁舎が解体され、試験コースの再整備や待合い棟建設を実施。21年5月に全整備が完了予定。
懸案は交通渋滞
同地区には県内各地から人が集まることから、頻繁に交通渋滞が発生。利便性向上が期待される一方、近隣住民からは駐車場の収容台数増加によって今まで以上の渋滞悪化を懸念する声があがっている。
新庁舎には臨時用として72台分の駐車場が新たに整備されるが、さらなる渋滞を招かない窮余の策として通常時は現在の228台を維持する。担当者は「入庫待ちがあまりに多い時は臨時用を開放する。引き続き公共交通機関の利用を呼びかけていく」としている。
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