各地でフラを通したボランティア活動に取り組んでいる 佐藤 久美子さん 新橋町在住 67歳
フラで心通わせ
○…「踊りもそう、お話もそう。楽しい時間を過ごすことが、ほんの少しでも皆さんの健康につながっているのならうれしい」とにこやか。高齢者施設等を中心に毎月10本以上の訪問を続けている。およそ45分のショータイムは、フラ本来のスタイルが基本だが、場の空気に合わせて引き出しをチョイス。いつも心がけているのは、単なる発表の場にしないこと。双方向のコミュニケーションこそが人の心を動かすと信じている。
○…何の経験もなかった自身がフラに魅せられたのはおよそ20年前。音に気持ちを乗せること、頭から指先まで集中して表現すること、身体をコントロールすることの楽しさに気づいた。学びを深める中で持ち上がってきたのは「伝統は大切にしつつも、もう少し気軽に触れられる環境を作りたい」という思い。ちょうど高齢者の健康づくりにも興味があったことから、施設訪問で指導するボラが始まった。
○…「話が長い」「漫談か」「とってもきれい」…。行く先々で反応は様ざまだが、活動をともにする仲間とは「まず私たちが楽しみましょう。一人ひとりに語りかけるように届けましょう」と確認しあう。訪問を継続することで心が解け、名前で呼び合う関係になれた時「やっていてよかった」と心から感じる。参加者たちの手が動いた、声が出た、そんな変化も活動の支えだ。
○…幼い頃から自他ともに認める目立ちたがりや。物怖じしない性格と大きな声で近所の人気者だった。次から次へと展開されるよどみない弁舌は驚嘆の域だが、本人曰く本当の得意技は「泣く子も黙らせる」という手のムーブ。見ればどこまでもなめらかでしなやか。その指先には、人を想う優しさが宿っているようだった。
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