新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、従来対面だった行事などをリモートに置き換えて実施する取り組みが泉区内でも広まっている。泉区内と二俣川に拠点がある(株)四元工美では、毎年地元の伊勢山小学校を招いて実施していた社会科見学を、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って実現させた。
一度は断念も社員の声で実現
オフィス家具の設計・販売などを行う同社では、毎年伊勢山小の3年生からの社会科見学を受け入れていた。
今年も学校側から見学依頼があったものの、コロナ下の現状では対応できないとして一度は断っていた。
しかし社員たちから「何とかできる方法はないか」との声が上がり、実現に向け検討。同社では早くから顧客との打ち合わせや、各拠点を結んでの朝礼などでZoomを取り入れていたことから、オンライン形式での見学であれば実施可能と学校側に逆提案した。教諭の理解もあり、初のZoom社会科見学が実現した。
端末約15台でやり取り
具体的には中田南の本社工場と、デザイン設計室などがある二俣川オフィス、そして学校の3カ所を接続。同社の広報担当者がテレビ番組さながらの台本を作成。学校では全景や質問用にタブレット、職場内では部署ごとにスマートフォンやパソコンなど、合計15台近くの端末を一度につなぎ、場面に応じて映像を切り替え。発言中の人物映像がクローズアップされるZoomの仕様を踏まえ、音声配信のオンオフを細かく決めて、関係ない映像が映ってしまうのを極力避ける工夫などがされた。
11月10日に行われた本番。同社の広報担当者がリポーターとなり、本社入口から中継はスタート。泉区内の店舗でも同社の製品が使われていることなどを説明したのち、画面は二俣川のオフィスに切り替え。デザイン設計の様子が実演されたのち、中継は再び本社へ。工場内で大きな円盤型ノコギリによって厚さ4mmの木板が真っ二つに割れると、画面越しに見ている児童からは「おーっ」という驚きの声があがった。
同社からのサプライズとして画面の向こうで加工されていたはずの星型にカットされた木材がテレビ画面の後ろから出てくると、児童たちは喜んだ様子を見せた。
最後には社員らが分割画面で登場し、児童からの「木の値段はいくらですか?」などの質問に直接答えた。
四元工美の四元良一代表取締役は「児童も移動せずに2つの拠点をお見せすることができた。仕事も今はリモートの時代。プレゼンなどをZoomでやってきた結果を今回に活かすことができた」と振り返った。
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