脳腫瘍の後遺症を抱えながら修悠館高校音楽研究部で部長を務める漆原清乃さん(17)。何事にも前向きに取り組み、このほど部活動の活性化に貢献した団体・個人を表彰する「かながわ部活ドリーム大賞」のキャプテン賞を受賞するなど、その姿は周囲に勇気を与えている。
「想像もしていなかった人生が始まったと思いました」。8歳の時、脳に腫瘍が見つかった漆原さん。15時間に渡る大手術の末、なんとか命はとりとめたが後遺症として視覚障害と体幹や右手の麻痺が残った。字を書くのもままならないため、中学校では授業にもついていくことができなくなった。得意だったピアノも弾くことを諦めた。
ふさぎ込みがちだった漆原さんを救ったのは家族や教員たちの温かな支援。「困った時は誰かがきっと助けてくれて一歩前進できるんだという安心感が自分を強くしてくれました」。周りへの恩返しがしたいという強い想いが自身を突き動かし、高校は自分のペースで学習ができる通信制の同校に入学を決めた。
コロナ禍でも地道に活動
所属する音楽研究部では昨年から部長として集団を引っ張る。年間を通してチャリティーコンサートや町内会での演奏など積極的に地域との交流を続けてきた同部。今年度はコロナ禍でも地道に活動を続けてきたことなどが評価され「かながわ部活ドリーム大賞」のキャプテン賞を漆原さんが代表として受賞した。
昨年末には、これまでの学校生活で学んだ体験などを発表する「全国高等学校定時制通信制生徒生活体験発表大会」でも入賞している漆原さん。「いつ再発するかも分からない。だからこそ私は頑張れるんです」と常に前向きな姿勢を忘れない。卒業後は大学へ進学し心理学やカウンセリングなどを学ぶ予定だ。「自分がしてもらったのと同じように悩んでいたり困っている人に寄り添えるような仕事に就きたい」と力強く語った。
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