新橋小学校3年2組の児童たちが開発した、アイフォーンなどで使用できるアプリ「みんなの命を守ろう大作戦」が2月5日に公開された。児童たちの音声やイラストが使われているほか、医療従事者やプログラマーがリモート授業で製作に協力している。
総合的な学習の一環で製作された同アプリ。コロナ下での暮らしにおいて「命の大切さを分かってほしい」「みんなが笑顔になってほしい」という思いで作られた。
アプリは4つの機能で構成。【1】チェックは「マスクをすることができた」「石鹸で手洗いできた」など8つの項目を達成することで毎日スタンプがもらえる仕組み。【2】クイズは○×問題や三択、児童のイラストを使った設問で感染対策の正しい知識を学ぶ。【3】ゲームは飛んでくる鉛筆や消しゴムを避けながらキャラクターを動かすもの。「直接触れない」ことの大切さを学ぶ内容だ。【4】幸せ見つけは「みんなが笑っているとき」「美味しいご飯を食べる」など児童が感じた日々の幸せのイラストをランダムで紹介。日記のように自分が感じた幸せの記録もできる。
各業界のプロがリモート協力
アプリ作りは昨年9月からスタート。その過程では各業界で活躍するプロフェッショナルがリモート授業で児童たちにアドバイスを送った。
ミュージシャンのMASAKing(マサキング)さんはアプリ内の音楽づくりを指導。プログラマーからは「要件定義」などアプリ作成に必要な物事の考え方を学んだ。医療従事者たちの授業は、クイズ作成にあたっての正しい知識や「幸せ見つけ」の項目を追加するきっかけをもたらした。
こうした人物とのつながりはクラス担任の藤井隆志教諭(46)の人脈によるもの。大人たちがチームのような形でアプリ作りを裏側で支えた。
アプリ公開日の2月5日。協力した大人たちがリモートで見守る中、アプリのダウンロード画面が現れると子どもたちは両手を上げて喜びを表した。ゲームで使われるイラストを描いた児童は「自分たちの絵が世界中の人に見てもらえるのはうれしい。家族や親戚など、いなくなってほしくない人たちに使ってほしい」と話した。
「命をずっと大事に」
藤井教諭自身、腎臓移植を経験し障害者手帳一級を交付されている。病のため一度は教育現場を離れざるを得なかった経験などを、アプリ作りの中で「命の授業」として告白。子どもたちはアプリの目的である「命」の大切さにより向き合うようになっていった。
5日の授業の終盤。藤井教諭は「命をずっと大事にしてほしい。命を捨てようと思った時は、先生とアプリを思い出してもう一度『幸せ見つけ』をしてほしい」と児童たちに語りかけた。
アプリはアップル社のアップストアからダウンロード可能。
泉区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|