「バレエの世界は自分が自分らしくいられる場所」と話すのは中田東出身でプロバレエダンサーの宮川真保さん(27)。現在はスロバキアを拠点に活動するなど世界で活躍を広げている。
宮川さんがバレエを始めたきっかけはアニメ「キューティーハニー」。「一瞬だけ流れたバレエを踊るシーンを見て『お母さん、あれやりたい』って指差したのを覚えてます」。4歳で地元中田東の「ささきえつこバレエアカデミー」に所属。もともと人見知りで引っ込み思案だったという宮川さん。「踊っている間は自然と自分の感情を表現できる気がしたんです」。
バレエの魅了にのめり込み、16歳でベルギーへ単身留学。その後もサンフランシスコ等への留学を経て、2014年に国内のバレエ団に所属。2018年からはスロバキア国立歌劇場バレエ団の一員として活躍中だ。
海外生活で得た学び
海外での生活で感じたのは上下関係が日本ほど重要視されていないこと。だからこそ指示を待つだけではなく、自分の考えや想いを発信する力が必要であることを学んだという宮川さん。「自分がどう踊りたいかを表現する力が身につき、その幅も広がった気がします」と話す。
現在所属中のバレエ団は公演数が多くスケジュールもハードで、本番直前で怪我をしてしまったダンサーの代わりに急に舞台に立つことも多々。「そうやって少ないリハーサル数で舞台に立つと不思議と無欲になれて普段より集中できる」という思わぬ気づきもあったという。
コロナで劇場閉鎖も
学びや経験を生かし、瞬く間にレベルを上げた宮川さん。入団して約1年半後にDemi soloist(デミソリスト)という上位の階級にスピード昇格した。しかし、その2カ月後に新型コロナウイルス感染症の影響で劇場が閉鎖に。約1年程全く踊れない時間を過ごし「お客様と同じ空間をシェアする舞台芸術が、とても大切なものだと改めて気づいた」と当時の心境を語る。
今年11月に控えている「シンデレラ」の公演では主要キャストに選出。レッスンに励む毎日だ。「これからも自分が自分らしくいられるために踊っていきたい。それがいつかお客様に何かを考えるきっかけとして響くくらい極めていけたら」と決意を新たにした。
![]() 公演中の宮川さん
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