中田南在住で大学生の井上優斗さん(21)が監督を務める長編映画「八月は逃げて走る」の制作が進んでいる。異なる大学に通う学生がチームとなり、資金はクラウドファンディングで集めるなどその制作方法は異例。目指すは同作の劇場公開だ。
井上さんは現在、玉川大学に通う3年生。自身4作目となる今作は、主人公の小学生と女子高生の不思議な逃避行を描いた約50分の物語。日本大学芸術学部や武蔵野美術大学、成蹊大学に通う高校時代からの友人らとタッグを組み今年2月頃から企画を進めてきた。
制作資金は学生たちで出し合った20万円。更にインターネットを通じて不特定多数の人に資金提供を呼びかける「クラウドファンディング」にチャレンジし、撮影機材やロケーションの借用費に充てる考えだ。「無名の自分達にとっては厳しいことだが、挑戦してみたかった」と井上さん。目標金額を80万円に設定し、8月1日からスタートしたところ、1週間で目標の約6割を達成。「驚きを隠せません。絶対に良いものをつくらなければいけない」と意気込む。随時、制作の進捗状況や雰囲気をSNSを通して発信するなどモットーは「一番身近な制作現場」だ。
高校生で「日本一」に
高校で受けた映像系の授業をきっかけに、友人たちと自主的に映画制作を始めたという井上さん。試行錯誤の上、3年間の集大成として挑んだ3作目が見事、高校生映画日本一の作品を決める「高校生のための映画worldcup」で最優秀賞を受賞。当時の審査員で『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督からは「観終わった後、小さな画面に向かって拍手してしまった」と賛辞が贈られた。
「また一緒に映画を撮ろう」を合言葉にそれぞれ別の大学へ進学したメンバー。それぞれが映像制作会社へのインターンや、小説公募などに挑戦してスキルアップを図った。「大学生活のうちに劇場公開の映画をつくる」という大きな目標を達成するため2年ぶりに再集結。今回の作品制作に至った。
完成は12月末
クランクインは8月21日。泉区や戸塚区、茅ヶ崎市で撮影し、その後編集作業などを経て今年12月末の完成予定。作品はクラウドファンディングで1500円以上の支援を行った人が視聴できる仕組みで、特別上映会も予定しているという。その後はコンペティションへの応募など、最終目標の劇場公開に向かって挑戦を続けていく。「大学生活の答え合わせだと思っています。この作品はもちろん、これからも映画に関わり続け、多くの人に映画の素晴らしさを伝えていきたい」と熱い想いを語った。
クラウドファンディングはhttps://motion-gallery.net/projects/8-nigeで9月15日まで。
![]() 作品のポスター
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