GIGAスクール構想に基づいて横浜市が市立学校の児童生徒、教員に約27万台の端末を配布して間もなく2年。学校内の通信環境は整った一方、一部の現場では「どう活用してよいか分からない」といった声もあるという。教員をフォローして授業を活発化させるため、市はICT支援員によるサポート体制の強化を2023年度予算案に盛り込んだ。
1人1台端末と大容量高速通信ネットワークを学校教育現場に整備する「GIGAスクール構想」。文部科学省の方針のもと、横浜市は2021年春に市立学校に導入した。
実際に活用が始まって2年。新型コロナの影響で構想が前倒しされたこともあり、一部の現場では「授業にどう活用したらよいか分からない」、また管理職も「教員にどういった声がけをしたらよいか」という戸惑いがあった。活用状況に関する昨年の市の調査でも、複数の課題がみられる学校が6%(小学校2%、中学校15%)あった。
市教育委員会の担当者は「困りごとは学校により異なる。一律の研修よりも個別のサポートが効果的」とする。
日常の相談役に
授業を担う教員にICTを活用することへの抵抗感や不安感を減らしてもらおうと、活躍が期待されているのがICT支援員だ。機器の設置や操作だけでなく、ICTを活用した授業についての助言なども行う。
市は21年度から支援員を5校に1人程度配置し、各校巡回を実施してきた。22年度は1校につき年間62回の巡回で教員をサポートしてきたが、23年度予算案ではこれに加えて「オンラインによる活用相談」を盛り込んで拡充を図る。担当者は「巡回日を待って相談するほかなかったのをメールや電話でも相談できるようになれば、より活用しやすくなるはず」と期待を込める。
横浜国立大学教育学部の山本光教授は「先生たちはICT教育への関心も意欲もある。これまで以上に同僚との情報交換や他校の事例の共有などが進めば、より活用できていくはず」と話した。
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