連載 介護の「本質」考えてみませんか 第6回 認知症について【1】
前回より、認知症について書かせていただいています。今回から、数回【介護の現状】ではなく「認知症」について書いていきたいと思います。
「痴呆」から「認知症」になった理由は前々回書かせていただきました。名称が認知症となり、色々な診断名がつくようになりました。「アルツハイマー型認知症」はメディアなどに取り上げられることが多いため名前は知っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、認知症はアルツハイマー型認知症だけではありません。実際に、認知症の種類は70〜80種類、専門で研究されている医師の中には200種類はあると言われている方もいらっしゃるくらいです。その中で一番多いのがアルツハイマー型認知症なだけなのです。
その他に、多く診断されるのが「血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」と言われ、これらが4大認知症と言われています。
ただ、認知症は一つだけではなく複数発症することもあり「混合性(型)認知症」などと言われ、数年前より私は5大認知症と認識してかかわることが重要な時代になったと考えています。
例えば、アルツハイマー型認知症に脱水性認知症や、アルツハイマー型認知症+血管性認知症、前頭側頭型認知症+血管性認知症+アルコール性認知症などを発症してしまうこともあります。症状は一つ一つ違いますので、かかわり方を間違えるとやはり認知症の進行に大きな影響が出てしまいます。
どうしても、「認知症=アルツハイマー型認知症」のイメージが多いです。これは、残念なことに専門職でも見受けられる現状がありますので、専門職以外の方々がそのように認識してしまうのは仕方がないかもしれません。
認知症の定義として一般的には、「いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6か月以上継続)を指します」とあります。定義の中にも、「いろいろな原因で」とありますので、改めて、認知症は誰でもなってしまう可能性がある「脳の病気」であり、そこから出てくる症状も人それぞれ違います。
つまり、「一人ひとりの心身の状況に応じた」かかわり方がなければ、進行速度を速めてしまうことになる事は間違いありません。逆を言えば、かかわり方ひとつで進行はゆっくりになるということを絶対に忘れないで欲しいと思います。
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