「幼稚園の園庭では1秒後ごとになにかが起きる」――。岡津幼稚園では園庭での子どもたちの様子を動画で撮影し、月に2回程度保護者向けに配信している。園庭カメラマンとして動画を担当する金子浩二副園長は「子どもたちだけの世界での振る舞いは、家庭でのそれとも異なる。それを見直すことは子どもの成長を知る機会にもなるはず」と話す。
長回しが基本
同園では以前から、情報共有の一環として園庭での子どもたちの様子を撮影して配信してきた。今年夏からは撮影した動画を編集し、保護者限定で数日間公開するという形式となっている。
「例えば何か意地悪に見えることをしている子がいる。でもその前のストーリーを知ると、そうではないとわかる。動画にはその説得力があるんです」。そう話すのは同園の金子副園長。
そのため、基本的に一定時間続けて撮影しており、園児同士のトラブルなどでも撮影を止めず、安全が確保できているうちは子どもたちの解決に委ねている。
それらの状況を配信動画の中では副園長がさながらユーチューバーのように解説。以前はライブ配信の形式だったため、この動画コンテンツは「上映会」という名で親しまれ、在園時の約7割の家庭が視聴している。
この動画を使ったコンテンツは、金子さん自身が3人の子どもを通わせていた川和保育園(都筑区)のやり方を取り入れたものという。
「例えば運動会という『点』で見た時に力を出せなかった子もいる。でも前日まではうまくいっていた、がんばっていたというのを知ってもらうことには意味があると思うんです」
見てもらう意義
同園の動画では我が子だけでなく、他の園児の良いところや特徴にもふれることができる。それも動画の狙いと金子さんは語る。実際に、保護者同士の交流にも一役買っているという。
「例えば先生同士で見返せば研修素材にもなるもの。でも保護者としてみても、子育てに関する示唆を含んでいるように思うんです」と自身の体験をもとに試行錯誤しているという。
かかわりの見直しにも
動画内では時に「この時の私の子どもへの声がけは適切じゃなかった」という反省も盛り込んでいる。「子どもたちの感性はやはり素晴らしいものがある。それを共有し、子どもたちが育つのにより良い環境にできたら」と思いを語った。
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