連載 介護の「本質」考えてみませんか 第7回 認知症について【2】
私は、あくまでも介護事業を運営している「いち介護福祉士」ですので、医学的な認知症の知識については書くことはできません。
あくまでも「介護従事者」として「生活の営み」にかかわらせていただく立場からの話になります。
2021年の「なりたくない病気」の集計で、とあるデータでは 【1】認知症 42.6% 、【2】がん28.7%、【3】脳卒中 4.6%となっています。【1】と【2】では、約14%も離れています。脳卒中などから起こる「血管性認知症」という病気があることも、上位に「認知症」が入っていることに影響しているかもしれません。
ただ、痴呆と言われていたころは「がん」がダントツで1番だったはずですが、なぜなりたくない病気が「認知症」になったのでしょうか?
現在は、便利な世の中になり何でも「インターネット」で情報を得ることができます。認知症についてネットを開くと、診断後「数年で寝たきり」「診断後寿命〇年」と言った内容が出てきます。また、「記憶がなくなり何もできなくなる」と言う内容も見かけます。
今まで暮らしてきた人生を全否定されるような内容が多く、さらには、診断後の状況で最悪なことばかり目にしますので、ご本人・ご家族と受け入れることにかなりの葛藤が生じると思います。「自分は」なりたくないとなってしまうのは仕方がない現状だと思います。またメディアなどで、高齢の方の交通事故や逆走などがあると「認知症の有無」を報道します。いかにも認知症の方がおこしている行為の様に報道されれば、怖い病気となるのは当然です。
高齢になると認知症になる...と考えがちです。しかし、再三書かせていただいている通り「認知症は誰でもなってしまう可能性がある脳の病気」です。
その為、不安になってしまうお気持ちは分かります。不安から、いろいろと調べられることもあると思います。しかし「悪い情報」「最悪な結果」ばかりに目を向けるのではなく、「様々な可能性」や「良い情報」、そして現在認知症を発症していらっしゃる方の生活に目を向け、ネット情報だけではなく「実際の姿」を知っていただきたいと思います。
認知症に対して不安がある方やご家族介護をされている方は、今の介護サービスや専門職のかかわり方を数か所の事業所にて見学してみてほしいです。「ご本人の生活している姿」や「かかわり方」を見ることで、ネット情報などと現状には違いがたくさんあることを知っていただきたいと思います。
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