神奈川県高等学校総合文化祭の書道部門で2年連続教育長賞を受賞した 矢澤 良和(あいと)さん 横浜修悠館高校2年 16歳
筆に心を込めて
○…美術や音楽など26部門に分かれ毎年開催されている神奈川県高等学校総合文化祭。今回、書道部門では県内約70校から800点の応募があった。昨年に引き続き、最も優れた作品として実質1位の教育長賞を受賞。「結果を何度聞いても信じられなくて」と喜びを嚙み締める。作品「臨 書譜」は筆の抑揚や強弱等の表現が重要な草書の代表的な古典。約1300文字、2・4メートルの大作だ。
○…実は高校に入るまで全くの未経験だった書道。「入りたかった生物部が無かったので、試しに入ってみようかなって」。現在の顧問の誘いもあり、軽い気持ちで入部を決めた書道部。日々、部員の仲間と練習に励むうちに筆遣いの複雑さや、心の動きがそのまま書に表れる繊細さにいつしかのめり込むように。発表の場を重ね、才能は一気に花開いた。
○…常に図鑑を持ち歩くほど大の昆虫好き。特にチョウ類の生態に夢中で、小学生の頃から自宅周辺で独自に調査や採集を続ける。「定点観察は変化が目に見えるのが面白い」とこの日一番の笑顔。地元川崎市で確認されている約70種のうち、63種は既に発見済みだとか。先日、理科の授業で提出したチョウに関するレポートが教諭の目にとまり、横浜中地区の探究活動発表会への参加も決まった。
○…現在は8月に和歌山で開催予定の全国大会に向けて筆を走らせる毎日。「将来はやっぱり生き物に携わる仕事がしたい」と書道にはこれで一区切りつけるつもりだ。コロナ禍で開催自体も危ぶまれるが、高校生活の集大成として1文字1文字に心を込める。受験勉強もスタートし、しばらく忙しい毎日が続きそうだが自身のこれからを語るその瞳は希望に満ち溢れていた。
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