連載 介護の「本質」考えてみませんか 第8回 認知症について【3】
私たちの脳は140億個の細胞からなり、20歳を越えると通常「1日10万個」の細胞がなくなっていくと言われています。そのことを考えると、まだまだ若い20歳を過ぎたころから「老化」がはじまっているということになります。
このことから、認知症は高齢の方がなる脳の病気ではないことがわかります。ただの物忘れであれば「年齢的なこと」と納得できますが、認知症という「脳の病気」が発症してしまうと、脳の細胞は「1日10万個以上が消失」してしまい新しいことを覚え難い、さらには「記憶が【徐々に】消失している」と言われ、時間を追って生活に支障が出てきてしまう可能性が出てきます。
しかし、認知症と診断された人に対して周囲の人は「何もわからなくなる・何もできなくなる」と思ってしまうことが多いのではないでしょうか。「すぐにでも介護が必要な生活になる」と絶望を感じてしまう人も少なくないと思います。
確かに、周囲の人は記憶がなくなっていくことに恐怖を抱いたり、これからの生活に不安が大きくなると思います。これは、認知症の有無に関係なく感じると思いますが、周囲の人よりご本人(当事者)が一番不安や恐怖を感じているに違いありません。
そんな中で、一つ理解してほしいことがあります。認知症になってしまって、すぐに重度と言われる症状になる方はほとんどいらっしゃいません。
※血管性認知症に関しては脳卒中の状況で重度の症状が発症されてしまう方もいらっしゃいます。
最初に「初期(前兆)」の症状があります。この「初期(前兆)」の症状の時に、どれだけ望ましいかかわりに出会えるのか?が重要なのです。
記憶の問題のみを考えてみると、【1】時間→【2】場所→【3】人の順番で分かりにくくなっていきます。
【3】の人の記憶に関してですが、「名前」は忘れてしまうかもしれませんが「この人はどのような人」かの記憶は比較的保たれますので、病気になる前までの自然な関係と会話は絶対に続けてください。
今までと違う「病人」としての接し方や会話がなくなることは、本人さんにとってとても怖いことでストレスにしかなりかねませんので、症状の進行を早めてしまう可能性が高くなってしまいます。
なので身近な人が認知症と診断されても、これまでと同じように向き合っていただきたいと思います。そのことが「進行の予防」にもつながります。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>