自宅敷地に設置 子どものための文庫館
「たのしい 本の へやに なりますように」――。
地域の子どもたちに向けた利用案内文の最後に記しているのがこの言葉だ。
矢部町1068にある「こども文庫あすなろ」(【電話】045・861・0723/不定休)は、同地に住む堀江宏子さん(71)が2011年12月、自宅敷地内に開いた、子どもたちのための文庫館。5〜6坪の敷地に建てられたログハウス風の館内には図鑑や少年文庫のほか、大人も読める書籍など、寄贈を受けたものも含む約3000冊が揃う。自由に出入りでき、本の貸し出しも行っている。
小学校の元教諭で「本が好き、子どもが好き」という堀江さん。図書館が遠いこともあり、同じく教諭だった夫と「子らが独立したら、地域の子どもたちのための文庫館をつくりたいね」と老後の楽しみを語り合っていたという。
夫は数年前に他界したが、一昨年、ついに2人の夢を叶えた。墓前では「(息子の)バックアップもあり、(開館)できるようになったよ」と報告した。
5月8日、開館以来の来館者は述べ5800人を超えた。本を読みにくる子もいれば、遊びに来る子も。小学時代から通っていた中学生が「休ませて」と寄ることもある。友達同士で宿題をやりに来たという小学5年生の女児3人は「ここは落ち着く」「宿題がはかどりそう」と笑顔で話した。
庭の芝生には、いつしか子どもたちが通る「道」もでき、「あすなろ道」と呼んでいる。「オープン2年半、開いて本当に良かった。子どもたちが来るのが楽しみ」
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