杉原科学技術研究所を戸塚に構え、水質の改善やクリーンエネルギーを創る活動をする 杉原淳(すなお)さん 金沢区在住 73歳
誠実という真実を見る
○…「大学時代から環境、エネルギーが研究の対象だった。地球環境が悪くなっていることについて常に危惧していた」と胸の内を明かす。現在会社の技術顧問を2社担い、水や半導体、ごみ焼却についての技術コンサルティングを行う。研究所では、水の浄化や水からクリーンエネルギーを創る活動を行う。東日本大震災を受け、昨年9月に福島県で登録された「NPO法人光と水の研究所」の理事長にも就いた。「放射能対策を行政に提案しても対応になかなか手が回らないようだった」と被災後に感じた、やり切れなさを吐露する。1カ月に一度は現地に出向き稲などの放射能の汚染度を調べ、積極的に水田の放射能を低減する活動を続けている。
○…京都で生まれ育つ。大阪の大学で博士号をとり、原子力関連の会社に17年間務め、湘南工科大学の教授、神奈川大学の客員教授として教壇にも立った。被災地での活動は2011年から進め、12年にはフィールドテストとして水田での放射線汚染度のテストを繰り返す。13年には活動域を広げ、桑畑やしいたけなどについて、放射能低減の働きかけを行う。
○…趣味は音楽鑑賞や各地の美術館巡り。「小さい頃からいろんな石を集める事が好きだった」と目を輝かせる。おとなしかった幼いころは、色々なスポーツを「遊び程度にしていた」という。テニスや野球、水泳。「柔道も少しだけね」と笑顔。好きな言葉は「誠実」。「誠実であることは、結局物事の真実を見つめようとする事につながるからね」
○…水質改善活動の一環として、今後クリーンエネルギーの開発へシフトする。地域活性化も見据え地域住民と一体となった取組みを思い描く。「この街には柏尾川が流れる。とても恵まれていること」と戸塚の魅力を熱く語る。「これからは活動の一環として、川をきれいにし、春にさらにきれいな桜を見る事が出来れば」と今後の展望を語った。
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