一級鉱物鑑定士として県内外で活躍する 寺島 靖夫さん 上柏尾町在住 77歳
「その道一筋」の姿勢貫く
○…京都にある鉱物の研究機関「益富地学会館」に属し、全国に6人しかいない一級鉱物鑑定士として、後進の指導や地学雑誌への寄稿など精力的に活動中。鉱物鑑定士は、収集をする人から寄せられた石の種類を解明し、その価値を判定している。7月には区内で親子向けの「石の鑑定会」も実施する。「子どもたちに楽しさを伝えられれば」と笑顔で話す。
〇…鉱物に魅了されたきっかけは中学1年生の頃。石好きの教師に誘われ、筑波山へ採集に出かけた。ハンマー片手に採掘している中で一目惚れしたのは、透明感のある赤色が特徴的な「石榴石(ざくろいし)」だった。「こんなに綺麗なものが自然界に紛れ込んでいるなんて不思議だ」と知的探究心がうずいたという。この日を境に鉱物へのめり込んだ。「仲間と採集旅行に出かけては崖から落ちそうになったり、一つの石を争って喧嘩したりもしましたよ」と懐かしむ。「鉱物に関する仕事に携わりたい」という念願が叶い、大学卒業後は三井金属に入社。仕事で忙しい日々を送る傍ら、採集は継続した。10年ほど前、長年の取り組みが評価され、同機関から最高位の一級鉱物鑑定士の認定を受けた。
〇…「地盤が強固なので上柏尾町に家を建てました。こうした部分でも鉱物関連の知識は生かされています」と話す。石を突き詰めて得た知見が生活上の助けとなり「若者には夢中になれることを見つけてほしい。それは人生できっと役に立つ」と考えるように。県内外の大学で特別講義を行ったり、留学生の就職支援機関で理事を務めたりと、若者の成長を促す活動も続けている。
〇…標本だらけの棚からお気に入りの水晶を取り出し「どんな石にもその石にしかない持ち味があります」と目を輝かせる。「これから鉱物好きの仲間と道志村へ採集に行く予定もあります。今後も石というお宝を探求し続けたいです」と満面の笑みを浮かべた。
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