弁護士や税理士、司法書士など11の士業からなる戸塚町に本部を置く団体が10月18日、平均寿命が延びるなか”第二の人生”を模索しているサラリーマンを主な対象として、講習会と交流会を兼ねたイベントを行った。起業という選択肢を示すとともに、後継者不在に悩む中小企業や商店の事業主とつなげようとする狙いもある。
企画した(一社)LTRコンサルティングパートナーズ(清水敏博理事長)は2001年に設立。士業がそれぞれの専門性を生かして個人や経営者の問題解決にあたるほか、地域活性化を目的として様々な取り組みを行っている。今企画「起業カフェ」はこれから起業したい人と、すでに起業した人が交流できる場として初開催。主に50歳代の15人が参加した。
企画は「第二の人生に踏み出したい」という会社員を主な対象としている。平均寿命が延び、政府が「70歳定年」の検討に入るなか「経営者として自己実現したい」という人が増えている状況を踏まえたものだ。昨年発表された中小企業白書によると、実際に起業家の年齢層が50歳以上で半数を占めている。
また他方で、中小企業や商店を取り巻く問題として「後継者不在」があることにも着目。経営者のうち「廃業ではなく誰かに事業を引き継いでほしい」と考える経営者は数多くいるというデータもあることから、「起業を考える人と、後継者に悩む人をマッチングできないか」という発想もあったという。
会社員の経験生かす
今回の企画では、実際に大企業出身で中小企業を買収した経験を持つ経営者が登壇。「クレーム対応やコストカットなど、会社で日常的に行ってきたことを実行していくだけで、売り上げが着実に伸びた」と経験談を話した。
一方で同団体所属の中小企業診断士が「会社を買う際は負債や売掛金がないかなど注意しなければならない点がある」とリスクも説明。参加した製造業の50代男性は「社内ではもちろんこのような話は普段できないので刺激になった。しかし何から始めればよいかわからないので、継続して参加したい」と振り返った。
同団体は今後、2カ月に一度のペースで「起業カフェ」を継続していく。清水理事長は「社会の状況が変化する中で、私たち士業が提案できることのひとつとして企画した。このイベントが地域の活力になれば」と話した。
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