17回目を迎えた「『このミステリーがすごい!』大賞」で大賞を受賞した、戸塚町在住の倉井眉介さん(34歳/本名・黒岩悠介)のデビュー作品「怪物の木こり」が今月、宝島社から発売された。選考委員から「ぶっ飛んだ設定のおもしろさ」と評された同書。大きな話題を呼びそうだ。
「昨年9月、受賞の連絡を受けたときは、ガッツポーズが出ました。そして今度は書籍が本屋さんに並んで本当に嬉しい。同時に売れ行きも気になります」
倉井さんは現在の心境をこう語る。
宝島社が主催する同賞は、ミステリーやエンターテインメント作家の発掘・育成を目指して2002年から始まったコンテスト。第4回の大賞を受賞した海堂尊さんの「チーム・バチスタの栄光」など、これまで数多くの作品がテレビドラマ化や映画化されている。こうしたことから、今回も449作品が寄せられる激戦となった。
人の生きる意味問う
「怪物の木こり」は、殺人を繰り返す弁護士が主人公。”マスクをつけた男”に突然襲われ、頭に大ケガを負ったことにより、自身に脳チップが埋め込まれていることを知る。脳チップは幼少時に埋め込まれたもので、これにより心に変化が起こることがわかる-。謎が謎を呼びながら物語はスピーディーに展開していく。倉井さんは「ミステリーという手法を使って、人が生きる意味や幸せとは何かを問いたかった」と執筆の動機を語る。
乱歩賞も最終選考へ
倉井さんは、南戸塚小学校、南戸塚中学校を経て、戸塚高校に進学した生粋の戸塚っ子だ。大学卒業後は就職せず、フリーターをしながら小説を書き続けてきた。安定した状況で小説を書くことを決心し昨年4月、川崎市にある工場に就職。作業員として業務に従事している。その矢先、「あかね町の隣人」で江戸川乱歩賞の最終選考まで残り、今回の大賞受賞を獲得。いま、人生の転機を迎えている。「親に心配をかけてきたので、ホッとしている。仕事を続けながら読者に喜んでもらえる売れる作品を書き続けたい。映像化されると嬉しい」と笑顔で話す。
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