タイ北部で人身売買の被害にあう恐れのある子どもたちを支援しようと、市内在住・在学の高校・大学生ら9人が湘南とつかYMCA(上倉田町)を拠点に1年にわたり募金活動を継続。現地の子どもが刺繍を施したバッグなどを販売し、8月には目標金額に到達させた。
9人は、県内各地の施設を運営する横浜YMCAの募集によって集った。昨年夏には実際にタイを訪問。人身売買の被害の恐れがある子どもらと交流した経験をもとに、「現地の同世代のために何かできないか」という思いで募金活動を開始した。
多世代へPR
9人は、湘南とつかYMCAでのイベントや、メンバーが通う高校の学祭などに出店。主に現地の子どもが手作業で刺繍を施した「パヤオクラフト」と呼ばれるバッグなどの販売を通してお金を募ってきた。
大切にしたのは、「タイでの経験を自分の言葉で伝えること」だという。特に湘南とつかYMCAは、学童クラブやカルチャー教室、スポーツクラブなどの多世代が集う施設。「子どもから高齢者まで幅広く伝える機会があった」とYMCA担当の永塚嘉子さんは話す。
8月上旬には目標としていた20万円に無事到達。およそ1年をかけた募金活動だった。参加した戸塚区在住の山野拓真さん(高校2年)は「20万円は高額なので不安だったが、皆で頑張って達成でき本当に嬉しい」と話した。浄財は、現地の子どもが必要とする「衣装ケース」の購入に充てられる予定だ。
交流の経験が機に
タイ北部への支援は、横浜YMCAが1994年から実施。同地区に住む山岳少数民族の子どもが人身売買や性的搾取の被害を受けていたことから、身体を保護し教育機会を得てもらうための「保護シェルター」を、現地YMCAとともに運営してきた。これと並行し、日本の若者を募って現地に訪問する活動を25年にわたり実施している。
昨年夏にタイに訪れた9人は、保護シェルターを実際に訪問。現地の子どもと共に仕事の体験やスポーツを通して交流した。「同世代の子が人身売買の問題に直面している現実について学び、地元に持ち帰って伝えようとする9人の活動は素晴らしい。今後も学んだことを伝えていってほしい」と永塚さんは話した。
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