令和を代表する女子柔道家を目指して奮闘中--。大正中学校3年生の井桁美優(いげたみゆう)さんが、今夏行われた「神奈川県中学校柔道大会48kg級」で優勝を飾るなど、快進撃を続けている。高校進学後もさらなる飛躍を誓う井桁さん。今後注目を集めそうだ。
「柔道の魅力は練習した分だけ、自分に返ってくるところですね」。こう語る井桁さんは、笑顔の絶えない一見ごく普通の15歳だ。しかし一旦柔道着を身にまとうと、身長160cmの細身の体とは思えないエネルギーを放出する。
今夏の県大会では1、2回戦と押さえ込みで勝利し、準決勝は得意の背負い投げで1本。決勝は「未知数な相手だったので、緊張しました」と話すが、背負い投げと押さえ込みで寄せつけなかった。大会を通して相手を圧倒する内容で優勝を飾り、関東大会と全国大会への切符を手に入れる。初出場となった両大会では、惜しくも1回戦負けの結果になってしまったものの、「準備の段階や相手の隙を見逃さないところなど、学ぶものは多くあった。勝てない相手ではなかっただけに悔しさはありますが、今後に生かしたいです」と気持ちを入れかえる。
卒業後は、柔道界で新進気鋭の高田高校(三重県)に進学予定。同校は伸び伸びとした雰囲気でありつつ、少人数で丁寧な指導を受けられる点に惹かれて選んだという。「全国という壁を経験できたので、高校では表彰台に登りたい。強い先輩たちと肩を並べられるよう、頑張りたいです」と目標を語った。
3年間で急成長
柔道を始めたのは中学1年生の時。経験者の母親の「やってみたら?」という言葉から、入部を決めた。小学校では水泳を習っていたため、人一倍鍛えてきた背筋を武器に背負い投げを得意技としてきた。そんな井桁さんも1年生の夏、初めての大会での市大会で1回戦負けを喫した。その悔しさをバネに柔道づけの日々に。部活で汗を流した後、戸塚、鎌倉の2つの道場で、男子に混ざって稽古に励んだ。日によっては1日5時間取り組むという。また大会の2カ月前には炭水化物を抜き、朝は走って体の管理をするなど、柔道に向かう姿勢は真剣そのもの。
その結果、1年生の冬の大会では市で2位、県でベスト8に入った。2年生の冬には市で優勝、県では準優勝に輝くなど実力者となった。この成長ぶりを見届けてきた顧問の小室信行先生は、「身体能力が高いうえ努力家な彼女の性格だったからこそ、3年間で力が伸びた。関東と全国は残念だったが、課題も見えたと思う。自分で考えて、更なる成長を続けてほしいです」と振り返り、エールを送る。井桁さんは「中学で学んだ柔道の楽しさは、これからも忘れずに進んでいきたい」と笑顔を見せた。
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