横浜市は児童・生徒1人1台端末貸与に向け、今年度中に学校納品を終える方針だ。その現況を踏まえ、東汲沢小学校(丹羽正昇校長)は6年生と4年生を対象に、先駆的な取り組みとして「デジタル教科書」を活用した授業を行っている。
国が進める「GIGAスクール構想」にのっとり市は、学習用端末と高速ネットワークなどの整備を進めている。元々は23年度までに段階的に端末を導入する方針だったが、コロナ感染による臨時休校などを受け、ICT(情報通信技術)の活用により、学びの保障ができる環境を早期に実現させる必要があると判断。今年度中に校内LANなどの整備も完了させ、次年度から本格的に運用する考えだ。
国語の授業で実証
そうした状況を踏まえ、学校現場ではさまざまな取り組みがスタート。その中の1つが東汲沢小学校の「国語学習者用デジタル教科書」を活用した授業。市立小学校で採択されている教科書を出版する「光村図書」と、中川一史放送大学教授が国語の教科書をデジタル化したソフトを共同研究してきた。これを児童に貸与したiPadにインストールし、実際の授業で使用、学習の深度がどの程度図れるか実証するのが、今回の試み。
多様な機能に可能性
11月25日から12月16日までは、6年3組が9コマをかけて実施。題材はアニメーション作家・高畑勲さんの「『鳥獣戯画』を読む」。名画の素晴らしさを伝える解説文を分析することで、その書き方を学び、最終的には児童各自が好きな絵画作品の解説文を書いた。
デジタル教科書の一機能として▽朗読機能で文章をより深く理解できる(読まれていく文章には色がつく)▽漢字にルビがふられる▽同じ意味を持つ内容を1つの段落ごとにまとめることができる――など多様だ。児童はタッチペンを握りながら与えられた課題に真剣に取り組み、「操作に慣れれば、これまでの授業とまったく違うやり方で学ぶことができる」と話した。丹羽校長は「自分で学びをデザインし、カスタマイズすることができる可能性がある。SNSのモラルを指導しつつ、有効活用できれば」と語る。
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