市立東俣野特別支援学校(福島豊校長)は昨年から、身体障害者などを対象に開発された、カメラ・マイク・スピーカーが搭載され、ネットを通じて遠隔操作できる分身ロボットを導入している。同支援学校の小学3年生の古川結莉奈さんが1月28日、栄消防署でロボットを活用した社会見学を実施。見聞を広めた。
同校に在籍する小学1年生から高校3年生までの46人の多くは、肢体不自由と知的障害がある重複障害者。そのうち通学が困難な5人は、教諭が自宅に訪問指導を行っている。分身ロボット「OriHime」は主にこうした児童生徒への活用目的に導入されたもの。
結莉奈さんは訪問指導を選択している一人。知的障害はないが、「先天性ミオパチー」という生まれつきの筋肉の病気で気管切開がされており、人工呼吸器をつけている。母親の綾子さんによると、体を起こすと苦しくなるため、ベッドに横になって過ごしている。
臨場感を味わう
初めてOriHimeに触れたのが5歳の頃という結莉奈さん。高さ23cm、横18cmほど、両手・頭が動き、カメラとマイク、スピーカーを搭載する、このロボットの活用に長けている。軽いペンを巧みに使いながら、タブレットに映る画面の映像を見たり、話しかけたり・かけられたりし、臨場感を味わっている。「ユリヒメ」と命名し、自分の「分身」として捉えているという。
栄消防署での社会見学は、担任の本間綾香教諭が消防の制服をまとったロボットを専用の台座に乗せ、結莉奈さんの意思をくみ取りながら、同署員の案内の下、庁舎や消防車両を見たり、はしご車に搭乗したりした。
結莉奈さんは署員に消防署の具体的な仕事内容などを質問。「はしご車の上は怖かったが、楽しかった。いつか本物の消防署へ見学にいきたいです」と感想を語った。
福島校長は「分身ロボットによって、移動が困難な児童生徒へ教育の幅が広がってきている。今後も活用を進める」と話す。
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