1919年に蒲田で創業し、1960年に当時の最新設備を設けた戸塚工場(秋葉町)へ移転した(株)大倉陶園。創業者の「良きが上にも良きものを」という精神のもと、100年以上にわたり美術的に価値の高い硬質磁器を作り続け、皇室や国内の迎賓館、一流ホテルなどで使用されている。
職員の黒澤学さんによると、素地に高品質な「カオリン」という主原料を多く使用することで、同社の陶器で特長的な白の美しい色合いになるという。独自の配合で作られた素地は、機械と人の手を併用して成形。素焼きした後、釉薬をかけ、全長35mのトンネル型の釜で2日間かけて焼いていく。「釜に入れる際に素地は匣鉢(さや)というカバーに入れられることで均一に熱が伝わるよう工夫しています。また、釜の最高温度は1460度。高温で焼くことで白さや硬さを実現しています」と黒澤さん。その後は厳しい検品の末、伝統の技法で絵付けや模様付けが行われ、商品によっては再度高温で焼いて完成となるという。
これまで同社では、製造の一部を公開し、工場見学も実施してきたが、現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止をしている。「今後、状況を見ながら再開していければ」と黒澤さんは話した。
![]() 2日間かけて35mのトンネル状の釜で焼かれる
|
![]() 同社の100周年記念に作られた食器セットの前に立つ黒澤さん
|
|
<PR>
戸塚区・泉区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|