死産を経験した働く女性の支援団体「iKizuku」の共同代表を務める 藤川 奈央さん 戸塚区在住 39歳
経験糧に歩み続ける
○…「働くことは私にとってアイデンティティの一つ」。昨年6月、自身の死産の経験をもとに、悲しみや辛さと寄り添う「グリーフケア」などを通じて女性を支援する団体「iKizuk(イキヅク)u」を共同設立。「死産や流産を経験した働く女性にフォーカスした団体は少数。活動で社会に啓発していけたら」。9月7・18日に上倉田町のフォーラムで初の対面イベント開催をひかえる。
○…岡山生まれ、横浜育ち。大学卒業後は流通業に従事し、2016年に結婚。翌年、第一子を授かるが、妊娠18週で母子共に危険な状態になり死産を経験。「自分のせいだ」と自身を責める気持ちから体調を崩し、焦りを感じるように。休職を経験するなど仕事や日常生活で心が大きく揺れ動き、「生き方や価値観が変わった」と当時を振り返る。
○…19年に息子を出産。一方で死産の悲しみが癒えず葛藤を重ねるなか「グリーフケア」を知る。同じような経験をした人が多くいることに気づき、「先輩ママのブログに助けられた。後輩たちには正しい情報と必要な支援を」と、ブログとSNSで発信を始める。輪を広げるには「SNSは有効」とし、勉強会や最低月一回はオンライン座談会を開催。他の支援団体との意見交換や情報共有も行うなど、活動の幅を広げている。
○…趣味は読書と旅行。最近はカフェで本を読むのが息抜き。仕事も妊娠も一つのライフイベントと捉え、企業など雇用側からのサポート体制の必要性を強く実感。死産・流産に理解ある環境構築が目標だ。フォーラムのイベントに向けて「参加者が一緒に考えていける機会にしたい」と話し、今後は区内子育てカフェとの連携も視野に入れる。前向きな姿に引きつけられた。
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