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戸塚区・泉区版 公開:2022年10月27日 エリアトップへ

第82話〜新見正興が率いた万延元年遣米使節団〜 とつか歴史探訪

公開:2022年10月27日

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ワシントン海運工廠での使節団(前列中央の黒い羽織が新見正興)
ワシントン海運工廠での使節団(前列中央の黒い羽織が新見正興)

 戸塚区品濃町などを領した新見家の家督を継いだ新見正興(しんみまさおき)は外国奉行と神奈川奉行を兼務し、日米修好通商条約の批准書を交換するため、使節団の正使として渡米しました。使節団は正使、副使、目付のほか総勢77人から成り、万延元年(1860)に米国軍艦で横浜港を出発しました。使節団に先立ち咸臨丸も護衛艦として派遣され、これには勝海舟(艦長)、ジョン万次郎(通訳)、福澤諭吉(司令官の従者)らが乗船しています。

 両船は暴風雨に襲われ損傷を受けるも、大事に至らず太平洋を横断してサンフランシスコに到着しました。ただ使節団の船は途中、ハワイに立ち寄り石炭の補給と修理を行い、カメハメハ大王に謁見しています。咸臨丸が帰還する一方で、桁違いの文明を目にした使節団はパナマへ向けて出港し、当時運河のない地峡を鉄道で横断して大西洋に到達、船に乗り換えてワシントンに到着しました。その数日後にブキャナン大統領に謁見し、批准書を交換しています。その後に滞在したニューヨークのブロードウェイでは50万もの人から大歓迎を受けました。

 任務を終えた一行はニューヨークから帰路につき、大西洋を横断し、喜望峰を回ってインドネシア、香港を経由して約9か月後に品川に帰着しました。新見正興が率いた使節団は批准書交換という重責を果たすとともに、日本人として2例目の世界一周をも成し遂げました。そして、外国列強の文明に関する知見を日本にもたらすことで日本の歴史を大きく変えるきっかけを作ったと言っても過言ではないでしょう。



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