まもなく迎えるいちご狩りのシーズン。俣野町の観光農園「川戸ファーム」(代表・川戸浩二)では電話予約対応に追われ、農作業に支障が出ていることから負担を減らすべく、ネット予約システムを導入した。これにより、導入前の約1・5倍の集客に成功している。
川戸ファームではこれまで、いちご狩りの予約受付に電話とネットを併用しており、多い日では日中3時間ほど電話対応に追われていた。「予約枠が埋まっていると連絡を頂いても断わらざるを得ない状態だった。週末はさらに増え、農作業に影響がでることもあった」とし、改善策を思案していた。
昨シーズンから電話対応の負担を軽減しようと、サービスEC事業を行うアソビュー(株)(都内)のネット予約システム「ウラカタ予約」を導入。受付を無人化・24時間可能にし、負担を軽減。集客人数は導入以前に比べ1・5倍に増加した。「いちごの生育状況に合わせてこまめに予約枠数の変更・調整ができるようになり、作業効率が上昇した。電話対応をしなくなり、24時間簡単に予約ができるようになったことで、希望者の取りこぼしがなくなった」と効果を実感している。
生産者減少も
9年前に父の家業を継ぎ、異業種転職で農家に転身した川戸さん。先輩農家からノウハウを学び、現在は夫婦2人でいちごのほかにトマトやそらまめ、きゅうりやじゃがいもなど約25種類の作物を育てている。
生食でのいちご消費量が世界トップクラスとも言われている日本。一方、栽培の難しさやなり手不足、生産者の高齢化、コロナの影響から全国のいちご収穫量は年々減少の一途をたどっている。デジタル活用に対して市環境創造局南部農政事務所は「予約システムの導入は補助金の対象となる。観光農園が増えることで区内需要も見込まれ、地域活性化につながることを期待している」と話した。
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