第87話 山岳信仰碑その3〜山岳信仰と修験道、霊山巡拝〜 とつか歴史探訪
日本には古来山に神が宿るとする自然発生的な信仰があり、山が神として祀られていました。後に神仏習合の考えからそれぞれの山の神に本地仏と言われる仏・菩薩が当てられ「大権現」などとも呼ばれ、また大山祇命など記紀神話の神々を祭神とするようになりました。山の神霊力を得るため「修験者」が厳しい修行をした「霊山」が山全国に数多くがありました。修行者たちは人里に下りて病魔退散などの加持祈祷を行ったりしました。密教思想などの影響もあって「修験道」という独自の宗教体系を形成していました。
修験道の開祖とされるのが役行者(えんのぎょうじゃ)です。本名を役小角(えんのおづぬ)といい、勅撰の史書『続日本紀』文武天皇3年(699)の条に、「呪術を使い、鬼神に水汲みや薪集めをさせるなどの評判があったが、弟子の讒言により伊豆の島に流された」との記述があります。
平安時代の説話集『日本霊異記』は、流された伊豆の島を夜ごとに抜け出し富士山へ飛んで修行をしたなどの逸話を伝えています。役行者が蔵王権現を感得したという吉野の金峰山は修験道の聖地とされていました。また全国に数ある霊山のほとんどに、役行者が開いたとか修行したなどの伝承があり、戸塚で信仰された富士山、出羽三山、大山にも役行者にかかわる伝説があります。
戸塚下倉田町の大わらじの隣接地に山岳信仰碑群があり、多数の碑が立ち並んでいます。御嶽山、八海山、摩利支天などの文字が刻まれており、多くの霊山を踏破・巡拝した人たちがいたことが分かります。
日本人にとっていつの時代にも山は畏敬の対象でした。
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