横浜市は東戸塚小学校の児童数増加を受け、建替えや増築、分校、新設などの検討を進めている。4月19日は同校で保護者らを対象に市の対策案を示す説明会を初めて実施。今後地域住民などで構成される検討部会を立ち上げ、課題解消に向けた合意形成を図っていく方針だ。
都心へのアクセスの良さから戸塚駅は人気が高く、駅周辺にはマンションなどの新設が相次いでる。同小学校は駅から徒歩5分程度の立地にあることが要因となり、区内小学校でも児童数の増加が際立つ。
2022年は一般学級954人・28学級(5月1日時点)だったが、23年は977人、31学級へ(4月7日現在)。今後も右肩上がり増加し、市は28年には1399人・44学級になると予測している(表参照)。
31学級が目安
横浜市は、従来から31学級以上を「過大規模校」と位置付け。文科省が15年に策定した「公立小学校・中学校の適正規模化・適正配置等に関する手引」では、対象校は子どもの良好な学びの環境を提供するための対策が必要とする。
市は「市立小・中学校の通学区域制度及び学校規模に関する基本方針」(18年改訂)を定めており、適正な学校規模の考え方を、12〜24学級を「適正規模校」、25〜30学級を「準適正規模校」、31学級以上を「過大規模校」とする(学級数は一般学級)。過大規模の状態が続き、通学区域変更等によっても解消が困難な場合は分離新設(新しい学校の設置)の検討を、適した用地の確保が困難なときなどには、その他の方策を検討する考えだ。
長短を解説
19日に市は同校で保護者や地域住民を対象に初めて、過大規模校対策に関する説明会を行った。
市は、厳しい市の財政事情から、新たな土地の取得は困難な状況であること、同小は他の市立小学校敷地平均の2倍超の面積を有していることから、現在の敷地内で対策を講じることが前提として説明。その上で3案を示した。▽単独整備案:建替えまたは長寿命化・増築を図って教室などを補い、1校として運営▽分校設置案:「東戸塚小学校〇〇分校」を設置し、本校と分校の体制で運営▽分離新設案:新しい小学校を整備して、それぞれ別の学校として運営--がそれだ。
各案のメリット・デメリットも解説している。児童の学習・生活環境では、単独案では「一学年の人数が多く、運動会などの行事で各自に役割を持たせづらい」、分校案は「行事を分けることで役割を持たせやすいが、一体感を保ちにくい」とし、両案とも「1校として学校運営を行うため、比較されない」。分離案は「行事で各自に役割を持たせやすい」が、「2校が隣接するため、比較対象となり、学校間で過剰な競争意識が生まれる」などをあげる。
検討部会で議論
市側の説明が終わった後、質疑応答へ。参加者からは「通学区域の変更で対応はできなかったのか」に対し、市は「周辺学校で検討したが区域変更では難しい」。多く寄せられたのが、スケジュールに関することで「これから検討するとのことだが、どのくらいの時間軸なのか」に対し、「児童数が増加している。何年もかけて議論をするものではない。期限を区切っていないが、出来るだけ早く取りまとめをしたい」とした。
今後は同小学校関係者で構成される検討部会で意見書を取りまとめ、審議会に具申、市が最終決定をする。
市担当者は「3案内でまとめるわけではない。現在は検討を始めた段階で、別の案が進む可能性も。学校関係者とキャッチボールをしながら合意形成を進める」と語る。
吉田矢部地区連合会の川畑孝男会長は「市には地域の意見を聴いてもらい、ともに子どもたちにとって誇れる学校を作っていきたい」と語る。
東戸塚小学校の山手英樹校長は「ハード・ソフト両面で子どもファーストで臨んでいる。いま、未来の子どもたちにとっていい学校でありたい」と話す。
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