区内で初めて開館されたケアプラザ「上矢部地域ケアプラザ」が5月、開館30周年を迎えた。同所には、障害福祉サービス事業所「であい」、2つのNPO法人によって運営される「上矢部地区センター」が併設され、複合施設として長年、地域に寄り添い続けてきた。開館に携わった同ケアプラザの加藤美雪所長は「福祉施設の利用というよりも、誰もが訪れやすい交流の場として今後もあり続けたい」と話した。
1階に位置するケアプラザは、介護支援事業や地域活動交流事業などを行っており、現在約40人の職員が勤務している。
2階の障害福祉サービス事業「であい」は、主に知的障害者を対象に製パン作業などの社会参加活動を支援する日中活動支援と、区内にあるグループホームでの共同生活支援を行う。
両施設は、開館の前年である1992年に設立された「社会福祉法人であいの会」が運営している。
発端は障害者支援
同法人の事務局長を務める加藤和彦さんは約40年前、勤務していた区内の保育所で、3歳の知的障害児と出会う。その家族から「子どもが大人になってから、きちんと生活できる場所がない」と悩みを打ち明けられたという。
同様の悩みを抱える人の多さに気づいた和彦さんは、障害者入所施設での勤務や地域作業所開設などを経験。1988年には、区内に障害者支援施設を設立するため、市に申請した。
一方、当時横浜市ではケアプラザの前身にあたる「横浜市在宅支援サービスセンター」を戸塚区に建設する計画が進められていた。和彦さんの申請は、主に高齢者を支援するサービスセンターの運営も担う形で、許諾された。
93年、和彦さんは福祉事業所の施設長に就任。さらに初代所長を美雪さんが務める形で、上矢部に区内初の地域ケアプラザが誕生した。
30年間を振り返り、和彦さんは「開館当初に応援してくれた地域の人が、いまは利用者やスタッフとして施設内にいる。とても感慨深い。今後も地域に寄り添う施設でありたい」と想いを語った。
地区センも同時開所
同所が、広く地域住民に利用される施設になることを目的として「上矢部地区センター」も、区内4館目の地区センターとして、30年前に同時開所した。
3、4階に位置し、現在2つのNPO法人「みんなのまちづくりクラブ」と「建物管理ネットワーク」が区の指定管理を受けて運営。各種自主事業の開催や施設貸出などによって地域住民の自主的な活動・交流の場として利用されている。
浅見利恵子館長は「今年度は、コロナ禍で縮小していた夏の子どもまつりも盛大に開催する予定。30周年を機に、ますます地域に親しまれる施設になるよう努めていく」と笑顔で話した。
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