全盲ながらハープ奏者として活動する YURIさん(本名:亥埜(いの)友理) 上品濃在住 20歳
「好き」を表現、つなぐ縁
○...「YURI」の芸名でハープ演奏活動を行う大学生。生まれつき全盲で光を感じることはできないが、磨き上げた指と耳の感覚を頼りに音色を奏でる。コンサートの際にはハープの解説をすることもあり、「珍しい楽器だから興味を持ってもらえる。すると話しかけてもらえるようになる。ハープが社会とのつながりを作っている」
○...ハープを始めたのは7歳の時。初心者でも弦を弾けば美しい音が鳴ることに心を奪われた。いい指導者にも巡りあった。見て真似たり、楽譜を読んだりすることの代わりに、練習に工夫をこらすことで、弾けるまでにしてくれた最初の指導者。高校時代の臨時教員は短期間の関係ながら、数百万円するグランドハープを無期限で貸与してくれた。また、十八番である「虹色の瞳」という曲は、現在の指導者が作曲してくれたものだ。
○...聴くことも好む。友人とジュークボックスのあるカフェやバーを巡るのが趣味で、ビートルズ、クイーンなどの洋楽やジャズの話となると、明るい声色が一段と高くなる。「古い曲が好き。レコードは針が落ちるまでに待ち時間がある。その『間』を楽しむべき」と熱がこもった。その他にもクライミングに挑戦するなど、とてもアクティブな面をもつ。
○...今後も依頼があればコンサートなどの活動は続けるが、プロの奏者になるつもりはないという。なによりも楽しむことを信条としているためだ。それでも目標はある。歌い手とユニットを組んで日本の童謡・唱歌を伝える活動をすることだ。「現代の曲はダンスなど視覚に訴えており、見えない人は楽しめない。童謡・唱歌は言葉と曲の響きが良く興味深い」。またしても「好き」が新たなる縁をつなぐ。
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