弥生時代の稲作の方法に関する研究が、舞岡公園内の宮田保護区で始まった。現在田んぼやため池を掘るなど、準備が進んでいる。今後、地域住民にも参加を呼びかける予定だ。
この研究は都立大が中心となり全国で行われているもので、舞岡公園での活動は、山形大准教授・静岡大客員准教授の白石哲也さんが主導している。6月30日に行われた活動ではため池が掘られ、白石さんらの研究グループの他、市の南部公園緑地事務所や横浜市歴史博物館、NPOの職員らが参加した。
黎明期である弥生時代の稲作の姿を明らかにすることが目的。今回使われた農具にも、弥生時代の一本鋤を再現したものがあり、操作性などの検証が行われた。
過去にない検証
現在は準備の段階で、実際の稲作は来年となる。植える米は7世紀ごろには存在した可能性のある古代米。弥生時代の米は、その後の品種改良で現代では手に入らないため、現存する中で最も古くからあると考えられるものを使う。
また、木製の農具も使用。定説では農具が弥生時代の木製から、古墳時代の金属製に変化したことで生産性が向上したとされているが、これを実証的に検証した研究はないという。そこで、木製農具の影響を調べる。
田んぼのテーマパークに
研究に協力している南部公園緑地事務所の角田章子さんは「舞岡公園で過去から現在までの稲作が学べる」と語る。すでに同公園では一般的な田んぼで稲作が行われており、弥生時代の田んぼが加わると、数千年の田園風景が一か所に集まる田んぼのテーマパークのような場所になるからだ。
来年弥生時代の田んぼが本格的な稲作に入る際に、地域住民の参加も呼び掛ける予定。白石さんは本研究に関し「過去を正確に知ることが重要。それが現代や未来につながる」と話している。
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