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戸塚区・泉区版 公開:2023年8月31日 エリアトップへ

関東大震災100年 もしもに今、備える 戸塚消防署担当者に聞く

社会

公開:2023年8月31日

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 関東大震災からあす、9月1日で100年。首都直下や南海トラフなどが懸念されており、いつ大地震が発生してもおかしくない状況だ。戸塚消防署予防課の早坂健予防係長に日ごろからの備えや家庭でできる対策を聞いた。

 横浜市が2019年に公表した地震被害想定。中でも「元禄型関東地震」は、関東大震災と同じ相模トラフを震源としながらも、当時の約2倍のエネルギーを発すると予想され、最大震度7、マグニチュード8・1と想定されている。

 被害予想は、揺れによる建物の全半壊が13万7100棟、死者数が1700人。そのほか、津波や液状化による倒壊、帰宅困難者の発生なども合わせると甚大な被害が想定される。

電気火災に注意

 区制50周年を記念して作成された『戸塚区史』には関東大震災について「幸いに火災は少なかった」と記されている。しかし、100年前と現在の状況が異なるのは、家電製品やコンセントなどが出火元となる電気火災の被害。

 早坂係長によると、阪神淡路大震災や東日本大震災では、停電後、通電した際に断線した箇所などで発火し、可燃物から燃え広がるケースもあったという。また、狭く細い道路には大型の消防車両が入れず、「消火活動に遅れが出る場合もある」と危惧する。

 「まず、火災を起こさないことが重要。そのために日ごろから対策を」と話す。直ぐにできるのは住宅用火災警報器の点検、地域で行われている防災訓練への参加を挙げた。どちらも、定期的に行うことで家族間や地域住民同士で防災意識を高めることにつながるからだ。「最低でも半年に一回は点検を。消火器や感震ブレーカーの導入のほか、区役所などで配布している防災冊子を参照し、身近な場所から対策を」と呼びかける。

関東大震災時の戸塚は?当時の記録を探る

 今から100年前の1923年9月1日午前11時58分。首都圏を中心に襲った関東大震災は、各地に甚大な被害をもたらした。

 戸塚区(当時は鎌倉郡)も例外ではない。『戸塚区史(区制五十周年記念)』によると、家屋が密集していた当時の戸塚町では被害が大きく、死者31人、傷者259人が出たと記録が残されている。

 人的被害に加え、家屋の倒壊によって国道(旧東海道)は道がふさがれ、一時通行ができなくなった。下郷でも国道並木の松が倒れたことによって、同様の被害があったほか、田畑や宅地、その年の収穫物などの損害額も莫大な金額となったいう。

 新築中だった戸塚町役場の崩落や、当時の町長が避難先で裏山の崩落により亡くなったことなども記録されている。

写真に見る被害状況

 本紙連載の歴史探訪コーナーで馴染みの戸塚見知楽会・根岸正夫代表に、区内に残る地震被害の記録について聞いた。「正直なところ、明確に残っている史料は少ない」と話すが、被害状況はいくつかの写真で見ることができる(出典『大震災記念寫眞帖』)。

 柏尾川では、堤防が崩れ、数カ所で川の流れを止めてしまった。現在、架け替え工事が行われている高島橋も、崩れた写真が残されており、当時の揺れと被害の大きさが見て取れる。

 根岸代表は「よく語られるのは、矢沢のトンネルの話だろう」という。戸塚区と現在の泉区をつなぐ長後街道は、戸塚の発展とともに交通の利便性を強化するため、1902年から大掛かりな道路整備が始まった。

 現在、サクラスが建つ前の通りにはトンネルが掘られ、12年の歳月をかけて6キロの道のりが整備された。しかしそれからわずか9年後、関東大震災によってトンネルは両口ともに崩壊し、通行不可能な状態となった。

 「江戸時代、宿場町として栄えたときの歴史や横浜市に編入して以降の華やかな記録は多くあるが、震災やその被害の情報はなかなか集めることが難しい」と根岸代表。一方で、地域で発行される記念誌などには経験者の声が記されていることもあり、「細かな情報をつなぎ合わせていけば、区内の記録として残すことができるかもしれない」と話した。

堤防が崩れた柏尾川
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崩落した高島橋
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